三国志

埼玉県山西省友好記念館(神怡館)廃止へ(2018年3月31日)

備忘録として。中国の文化や歴史等に触れることができる日本で数少ない専門施設の1つ埼玉県山西省友好記念館 神怡館(埼玉県秩父郡小鹿野町)。ネットショップ「英傑群像」のグッズが販売されていたり、その繋がりで三国志祭にブース出展されたり、関羽像等…

陳羣の忌日(236年12月24日)

(青龍四年)十二月癸巳,司空陳羣薨。 『三國志』魏書巻三 明帝紀 236年12月24日に司空・陳羣が亡くなった。子の陳泰が彼の跡を継いだ。新暦に変換するとこの日は237年2月7日にあたる。陳羣に関しては何歳で亡くなったのか明記されていないため、生年は不明…

呂布・陳宮・高順の忌日(198年12月24日)

(建安三年)九月,公東征布。冬十月,屠彭城,獲其相侯諧。進至下邳,布自將騎逆擊。大破之,獲其驍將成廉。追至城下,布恐,欲降。陳宮等沮其計,求救於術,勸布出戰,戰又敗,乃還固守,攻之不下。時公連戰,士卒罷,欲還,用荀攸、郭嘉計,遂決泗、沂水…

足利尊氏の霊夢

今回は三国志研究会(全国版)にて、ぼるどさん(@Bolxfoy)よりご指摘をいただいたことを以下に記したい。お話しを伺うと確かにそうだ、と腑に落ちる点があったためおそらくそうであろうと考える。 「足利尊氏が関帝像を祀った」という伝承の情報源としてよ…

張特と張持と張時

以下の続き・涿郡張氏 - 尚書省 三國志部 http://d.hatena.ne.jp/kyoudan/20171124/1510535268張特については既に記したので今回は割愛する。まずは張持について。 (赤烏)二年春三月,遣使者羊衜、鄭冑、將軍孫怡之遼東,擊魏守將張持、高慮等,虜得男女。…

涿郡張氏

(嘉平)五年夏四月,大赦。五月,吳太傅諸葛恪圍合肥新城,詔太尉司馬孚拒之。秋七月,恪退還。 是時,張特守新城。 『魏略』曰:特字子產,涿郡人。先時領牙門,給事鎮東諸葛誕,誕不以為能也,欲遣還護軍。會毌丘儉代誕,遂使特屯守合肥新城。及諸葛恪圍…

三国志の名馬 赤兎馬

「白馬将軍 龐統」のページでも触れたように、以前Togetterにて作成した「三国志の馬一覧」の内容を更新すべくネタの整理と備忘録もかねて。まずは「赤兎馬」について『三國志』と『後漢書』『三國志』の記述を以下に挙げる。 布自以殺卓為術報讎,欲以紱之…

三国志祭に参加して

神戸・新長田にて催された第11回目三国志祭、および六間道三国志祭。例年は10月に開催されているのであるが、今年は台風の影響に伴い、当初予定されていた開催日の直前に急遽順延が発表され、昨日2017年11月3日(日)に開催となった。 そのため一部内容が変更…

白馬将軍龐統 其の二

前回の続き。 ・白馬将軍龐統 - 尚書省 三國志部 http://d.hatena.ne.jp/kyoudan/20171028/1509172209なぜ龐統が白馬将軍と号した(事になっている)のか、「龐統」と「白馬」で四庫全書を串刺しで検索したところ、南宋・章定『名賢氏族言行類稿』巻三の龐の…

白馬将軍龐統

以前に三国志や演義等に登場する馬をリストアップしてTogetterにてまとめた「三国志の馬一覧」。主に中国のサイトに掲載されているネタをただ単にまとめたため、ソースの確認や精査は行わなかった。作成以降全く更新もしてこなかったため、それらの出典や他…

横山光輝『三国志』と生賴範義

様々な視点より現在進行形で横山光輝作品に関する研究が現在進行形で行われている。我々にとって馴染み深い作品といえば横山光輝『三国志』である。その研究の1つに清岡美津夫「横山光輝はなぜ官渡の戦いを描かなかったのかをめぐって」(『三國志研究』10号…

曹沖の忌日(210年5月1日)

曹操と環夫人の子で、曹丕や曹植たち兄弟の異母弟 曹沖。Wikipediaや三国志関連の書籍では、正史の以下の記述を基にして、曹沖が208年に13歳で死去したと書かれている。「訒哀王沖傳」を読み返すと、曹沖が罹患した年(208年)に死去したと断言されておらず…

劉備の忌日(223年4月24日)

(章武三年)夏四月癸巳(※正しくは辛巳),先主殂于永安宮,時年六十三。 『三国志』蜀書巻二 先主傅 亮上言於後主曰「伏惟大行皇帝邁仁樹紱,覆菇無疆,昊天不弔,寢疾彌留,今月二十四日奄忽升遐,臣妾號咷,若喪考妣。乃顧遺詔,事惟太宗,動容損益;百…

王基の忌日(261年4月24日)

(景元二年)是歲基薨,追贈司空,諡曰景侯。 『三國志』魏書巻二十七 王基傳 彌留年七十二。景元二年四月辛丑薨。 「魏東武侯王基碑」 王基が亡くなった日にちは正史をはじめとする史料には記載されていないが、清乾隆初年(1736年頃)に洛陽城近くで発見さ…

董卓の忌日(192年4月23日)

(初平三年)夏四月辛巳,誅董卓,夷三族。司徒王允錄尚書事,總朝政,遣使者張种撫慰山東。 『後漢書』孝獻帝紀 (初平)三年四月,司徒王允、尚書僕射士孫瑞、卓將呂布共謀誅卓。是時,天子有疾新愈,大會未央殿。布使同郡騎都尉李肅等將親兵十餘人,偽著…

司馬炎の忌日(290年4月20日)

(太熙元年)夏四月辛丑,以侍中車騎將軍楊駿為太尉、都督中外諸軍、錄尚書事。己酉,帝崩于含章殿,時年五十五,葬峻陽陵,廟號世祖。 『晉書』卷三 世祖武帝紀 台湾の中央研究院が提供する「兩千年中西曆轉換」にて、太熙元年四月己酉を変換すると290年4月…

狩野直禎先生 逝去(2017年2月7日)

巨星堕つ。昨日、時事ドットコムにて狩野先生が逝去されたことが報じられた。後に記事が消えてしまうおそれがあるため、以下に記事の本文を引用する。狩野直禎氏死去(京都女子大元学長・東洋史学):時事ドットコム http://www.jiji.com/jc/article?k=20170…

収馬岱

前回の記事で豫劇について取り上げ、その後それはどのような演目なのか気になり「百聞は一見に如かず」ということで観ようと考え、中国の動画サイトで探していると幸運なことに字幕付きの動画が投稿されていた。大平调《收马岱》兄弟相认一折_标清 00_18_38-…

豫劇における馬岱

今回も百度で興味深い記述を見つけたので、それについて触れたい。 大平調與豫劇《收馬岱》(即《對金抓》),写黃三耀獨闖飛虎山,為女大王所擒結為夫妻,之後就是“兄弟相認”一折了。写黃三耀千里尋兄,與胞兄馬超相認的故事。他們多年未見面,姓氏又不一様…

英雄たちの伸長について【三国志平話編】

昨日の正史に続き、今回は三国志平話の伸長の記述を拾う。 平話の性質上、伸長に関して記載があるのは蜀の人物がほとんどであった。 話說一人、姓關名羽、字雲長、乃平陽蒲州解良人。生得神眉鳳目虬髯、面如紫玉、身長九尺二寸。 却說有一人、姓張名飛、字翼…

武安国の血筋

演義オリジナルの人物である武安国。彼について百度で調べていると以下の興味深い記述があった。 漢末野史記載:根據漢末及三國野史的記載武安國,復姓武安名國字霸候,乃是武安君白起的後人,早年間曾跟隨北海太守孔融陣壓黃巾起義,期間曾一天連斬五位黃巾…

演義における武安国の描写を比較

演義において虎牢関で一方的に攻めて来る呂布にタイマンを張り片腕を失いながらも、呂布を陣に返し「生き残った漢の子」としてみんなに愛される武安国。彼の活躍する場面は全120回あるなかで唯一この場面しかない。俗にいうマイナーな武将である。そんな彼に…

馬岱の字を考える

馬岱の字は『陜西省扶風縣郷土志』の伯瞻とする説や、『反三国志』の仲華という説が広く知られている。今回は名に岱がつく人物の字にどのような漢字が用いられているのか、正史類などの記述がある人物らの用例を参照し、馬岱の字について考えたい。 (种)岱…

平話における馬岱について

三国志平話が成立した前に誕生したと考えられる『新刊全相平話三國志』こと通称『三国志平話』。今回はその平話に記載されている馬岱のシーンをピックアップする。なお翻訳するにあたり以下の資料を参考にした。・全相平話二種画像・テキストデータ https://…

麋芳と城とレンコンと

百度に掲載されていた麋芳が建造されたという麋城の記事を大まかに訳す。 なおソースは不明。・糜城_百度百科 http://baike.baidu.com/view/937733.htm 当陽市兩河鄉境內,距市玉陽鎮22公里,為古城遺址。相伝是三国時蜀将糜芳守江陵所筑。城墙周長1670米,…

正史における馬岱について

先日より調べている馬岱について、どのような役割が与えられ、それが変化しているのかを検証するため、まずは正史の記述を以下にピックアップする。 (章武)二年卒,時年四十七。臨沒上疏曰「臣門宗二百餘口,為孟紱所誅略盡,惟有從弟岱,當為微宗血食之繼…

馬岱の逸話

正史には伝わっていない馬岱に関するちょっとしたネタ。 野馬圪塔在縣東四十五里地、近清澗溝、溝底有石寨、山壁鑱「將軍黄巖」四字。縣志、巖即馬岱也。少孤與母避難、僑黃姓室、因名黄巖。時牧馬於此。長投馬超、復姓。 欽定四庫全書『山西通志』卷二十七 …

戯志才の血

太祖問紣「誰能代卿為我謀者?」紣言「荀攸、鍾繇」。先是,紣言策謀士,進戲志才。志才卒,又進郭嘉。【魏書巻十『荀紣伝』】 先是時,潁川戲志才,籌畫士也,太祖甚器之。早卒。太祖與荀紣書曰:「自志才亡後,莫可與計事者。汝、潁固多奇士,誰可以繼之?…

てゐ

神戸・南京町の広場は国内外の観光客や、老祥記や曹家包子館の肉まんを買い求める人々の長蛇の列などにより、日々賑わいを見せている。そんな広場の中央部には、飲食や休憩をする人たちに利用される華美に装飾された亭がある。 実はこの亭には、三国志演義の…

はじめての…

昨年末にネットで三国志関連の情報を探していたら偶然見つけた『レジェンドヒーロー三国伝』。それについていつものように身内に向けて以下のツイートを投稿したところ、予想していた以上の反響をいただいた。三国志の英傑たちをモチーフにした韓国の特撮『…