てゐ

神戸・南京町の広場は国内外の観光客や、老祥記や曹家包子館の肉まんを買い求める人々の長蛇の列などにより、日々賑わいを見せている。そんな広場の中央部には、飲食や休憩をする人たちに利用される華美に装飾された亭がある。
実はこの亭には、三国志演義の名場面をモチーフにしたレリーフが6枚もある。普段なんとなく亭は目にしていたが、気付くことがなかった。今回はそれらについて簡潔に紹介したい。

・熱烈歓迎!南京町
http://www.nankinmachi.or.jp/


桃園結義
演義第1回のお馴染みの名場面。花弁が5枚の桃が咲き誇っている中に関羽張飛劉備の三兄弟と従者2人が描かれている。「生まれた時は違えども〜」と乾杯をした後なのだろうか。


三戦呂布
演義第5回、みんなが大好きな武安国が敗れた後、反董卓連合軍より、関羽張飛劉備の順に呂布にかかり、敗走させる場面である。左より双剣を手にする劉備、青龍刀を振り上げる関羽呂布に蛇矛で襲い掛かる張飛、方天画戟で応じる呂布呂布配下の兵が描かれる。劉備の左側には連合軍勢を表現する軍旗がある。鬚が薄く「潞涿君(髭なし野郎)」蜀書巻十二 周羣伝と馬鹿にされた劉備が、関羽並みに立派な鬚をたくわえているところが見所。


千里獨行
演義第27回、関羽曹操の元から離れるに際して、曹操が彼に錦袍を贈るも青龍刀で受け取った関羽に許楮がブチ切れた場面。左より順に曹操、許楮、従者、関羽周倉。本来は奥方様が乗る車を馬が牽く描写がされているが、ここでは周倉が手押ししている。この彫刻では騎乗する曹操のがに股具合が個人的見所。

張飛大鬧長板
演義第42回。左より蛇矛を手に仁王立ちする張飛、従者、青詇の剣と槍を手にする趙雲趙雲を追撃する曹軍武将(張郃か?)、そして従者を描く。趙雲の胸元には阿斗的な何かも施されている(ように見える)。ここでは曹軍武将ががに股で騎乗する。そういった演出で統一されているのだろうか…


曹操割鬚棄袍
演義第58回、馬超曹操をひたすら追撃し続ける潼関の戦い。左より従者、馬超曹操、従者、許楮(?)を描く。この馬超三国演義連環画を参考にして彫られたのか、獣面呑頭の兜をかぶる。


やはり馬超馬超である。


単刀赴会
演義第66回。左より青龍刀を手にする関羽関羽に手を引かれる魯粛(かわいい!)、呉の武将(甘寧呂蒙・他2人)を描く。


三次元作品における魯粛史上、最も可愛いと思う。


神戸へ観光や遊びに来る機会があれば、ぜひ南京町へ足を延ばしてみてはいかがだろうか。