東京「媽祖廟」

JR大久保駅南口より南へ5分ほど歩くと、雑居ビルが立ち並ぶ中に四階建ての極彩色の媽祖廟が現れる。鈴木洋平「結節点としての『廟』―在日台湾人コミュニティにおける東京媽祖廟の建立―」に拠ると、1970年代に日本媽祖会の結成時の人脈より伊豆に、1980年末代には箱根に建廟を計画したがいずれも頓挫し、土地・金銭面の問題が解消し建廟に至ったそうだ。2013年10月13日に40年もの想いが遂に成就し開廟。

さて媽祖廟1階は受付兼事務所となっており、そこで参拝したい旨を伝えると参拝方法について簡潔に説明を受ける。そして線香をいただき1階から2階、3階、4階の順にそれを香炉にあげ参拝する仕組みとなっている。

2階の朝天宮には台湾の北港朝天宮より分霊された媽祖像とその随神千里眼・順風耳の3躯が祭壇に安置する。

3階の本殿には福建省泉州の天后宮より分霊された媽祖像と、その脇侍に関帝・武財神を。また媽祖の前には2階と同様に随神の計5躯を安置する。分霊された地域が異なるため、2階の像とは全く表情や容姿が異なる。関帝像の像高は30〜40cm程度で、青龍刀や春秋経のアイテムを手にしない髯をしごく倚像であった。また最近造られた像であるため、非常につややかであった。

また祭壇下には双股剣を手にする劉備や青龍刀を掲げる関羽、蛇矛を振るう張飛、そして三兄弟から逃げる呂布の三戦呂布レリーフが飾られており、三国志ファン必見である。

そして最上階の観音殿には観音菩薩・準提菩薩・孔雀明王菩薩を安置する。


そこだけ異質な雰囲気を醸し出しているため少し入りにくいと感じるかと思うが、是非参拝しに足を延ばして欲しい。

【参詣日】
・2014年12月13日(土)、2015年7月11日(日)、2016年4月4日(金)
【寺院情報】
・建立年 2013年10月13日
・本尊 媽祖像
・所在地 東京都新宿区百人町1丁目24−12