市川路周 飜刻(1884)『通俗繪本三国志』文事堂を入手した。『絵本通俗三国志』のブームを受け、明治期に各書房が競うようにして独自に絵を付けたり、ダイジェスト化したりして出版されたうちの1シリーズである。
さて本書は上下2巻で構成されていたモノであったが、どうやら元の所有者によって10巻に製本しなおされたようである。上巻の内容は1〜5巻に、下巻は6〜10巻に分けられいる。10巻末には下巻の奥付があるものの、上巻の奥付はどの巻にもおさめられていないという不備があった。
さて、下巻のそれによれば、下巻は明治17年(1884)12月に出版されたとあるため、上巻は同じタイミングでの刊行か、それより少し前に登場したようである。
本書の内容は葛飾戴斗『絵本通俗三国志』とほぼ同様であるが、挿絵はそれに掲載されている絵に近いモノもあれば、まったく異なるモノもある。
桃園結義のシーン絵を例に挙げる。上がオリジナル版で下が文事堂版である。全体の構図は同じであるが、人物の顔や服装、小物等々…描かれ直されているためやはり全てが異なっている。
また文事堂版にしかない挿絵もあったため、どのような挿絵が掲載されており、それがオリジナルと比べどのように異なっているのか比較したい。
- 作者: 湖南文山,羅貫中,葛飾戴斗,落合清彦
- 出版社/メーカー: 第三文明社
- 発売日: 1982/11
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絵本通俗三国志 ver2.0 (大空社デジタル資料叢書 USB版)
- 作者: 池田東籬亭・葛飾戴斗
- 出版社/メーカー: 大空社
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- 作者: 安野光雅
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