川本喜八郎人形ギャラリー(2017年4月1日)

4月1日(土)に横浜中華街へ「関帝廟」に参詣し、3月27日(月)より有隣堂横浜西口コミック王国にて開催が始まった王欣太「『達人伝』×『蒼天航路』原画展」へ移動し、数々の原画を鑑賞。間近で見れた曹操や白起たち、それらに残る鉛筆の線や筆の走らせ方等々…様々なことに魅せられ感動をし、その余韻に浸りながら、興奮が冷めぬまま渋谷ヒカリエ8階に常設展示されている川本喜八郎人形ギャラリーへと向かった。

王欣太「『達人伝』×『蒼天航路』原画展」(2017年4月1日) - 尚書省 三國志
http://d.hatena.ne.jp/kyoudan/20170409/1491727932


ショーケースには平家物語より玉虫人形が

今回のテーマ展示は2016年12月10日(土)より始まっており、北西側には「平家物語」が、南東側には「三国志」人形が展示されてあった。これまで何度かギャラリーへ足を運んだことがあるが、いつも平家と三国志人形の位置が逆でしか見たことがなかったため、今回それらが入れ替わっていたため非常に新鮮さを感じた。

平家物語」の展示テーマは「壇ノ浦」と「源平その後」、三国志は「漢室の風雲」と「千里行」であった。「漢室の風雲」では張角張宝張梁蹇碩趙忠段珪、何后、弘農王(劉弁)、陳留王(劉協)が、「千里行」では関平関羽赤兎馬)、張飛(馬)、夏侯惇の計15躯もの人形が展示されてあった。

平井先生が監修のパネルの解説文を、三国志に分のみ以下に引用する。

漢室の風雲
当時の後漢王朝は、外戚と宦官の二大勢力が宮中の実権をめぐって争い、庶民は苦しみにあえいでいた。184年、張角を首領をする「黄巾の乱」が勃発、世は群雄割拠の様相を呈してきた。時の霊帝崩御すると、幼い皇子をめぐって皇位継承の争いが繰りひろげられ、外戚の大将軍何進は妹の何后の生んだ辯皇子を推し、「十常侍」と称する10人の宦官は別の妃の生んだ協皇子を擁立して対抗した。結局k、辯皇子が即位して少帝となったが、都に乗り込んできた董卓によって少帝母子は殺害され、協皇子が即位して献帝となった。

千里行
曹操に反旗を翻した劉備だったが、あえなく一敗地にまみれ、関羽張飛二人の義弟とも生き別れとなる。関羽は心ならずも曹操に降伏したが、彼の武勇を愛する曹操によって破格の厚遇を受ける。やっとのことで劉備の居所をつかんだ関羽は、曹操からの恩義を返したうえで名馬赤兎に跨り、決死の「千里行」に旅立った。途中、曹操配下の夏侯惇や、彼を裏切り者と誤解した張飛と果敢な一騎打ちを演じたすえ、ついに古城で劉備と再開、三兄弟は新たなる出発を期するのであった。

昨年の丁度今頃、川本プロダクションと渋谷区との展示委託業務契約が終了したため、一時期悪い意味でかなり話題になっていた。しかし展示方法や配置のクオリティが高い状態が保てていたので、まずは一安心した。

・おしらせ 渋谷ヒカリエ8F「川本喜八郎人形ギャラリー」展示委託業務終了のお知らせ | 川本喜八郎 Official WEB SITE
http://chirok.jp/news_detail/00000000202.html

・おしらせ 「川本喜八郎人形ギャラリー」展示委託業務終了についてのご報告 | 川本喜八郎 Official WEB SITE
http://chirok.jp/news_detail/00000000204.html

今期は初登場の人形はなかったが、個人的に大好きないかにも悪巧みをしそうな表情をしている十常侍人形に、子供らしい可愛いらしい劉協人形が久々に観れたのはよかった。人形劇三国志といえば劉備関羽張飛諸葛亮曹操孫権呂布をはじめとする有名どころはよく見掛けるが、所謂マイナーな人物を観れる機会はあまりない。そのため「漢室の風雲」は普段なかなかお会いできない人形達ばかりであったため、1躯1躯表情はもちろん、服飾やポージングなどまぶたに焼きつけるように鑑賞した。

次回の展示替えはおそらく秋頃になるため、それまでに来る機会があればまた彼らに会いたい所存である。

今月末4月30日(日)に同じく渋谷の東京カルチャーカルチャーにて、「三国志 桃園のつどい」が開催される。その前後に三国志が好きな方同士で鑑賞しに行くのも一興である。


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東京都渋谷区渋谷2丁目21-1 渋谷ヒカリエ8階