「孔明め!孔明め!孔明め!」観劇(2017年6月2日)

・「孔明め!孔明め!孔明め!」公演(2017年6月1日〜6月15日)
http://d.hatena.ne.jp/kyoudan/20170218/1487368311

京都市上京区に所在する京都府立文化芸術会館にて2017年6月1日(木)より公演が始まった「孔明め!孔明め!孔明め!」。今回はタイトルと告知された内容に強く惹かれ、京都公演の千秋楽にあたる6月2日(金)19時〜の回を観劇した。

これまで劇団ZTON「覇道泰平」シリーズや、Office ENDLESS「リンカネ」シリーズなど三国志を題材にした舞台公演を観劇してきた。いずれも三国志における有名な戦いが取り上げられ、加えて殺陣が取り込まれていた。この「孔明め!孔明め!孔明め!」は題材が諸葛亮が出蘆し劉備に仕えるきっかけとなった三顧茅廬が題材となっており、戦を描くのではなく諸葛亮と黄承彦の娘とのお見合いを描いたコメディーモノとであった。記憶する限り、演劇で「三国志×コメディ」は初めてではないだろうか。

まず公演される文化芸術会館のホールについてである。中小規模の劇場の中では収容キャパが大きく花道までもある広めホールであった。舞台の高さは最前列に座ると目線の高さに役者さんの足首〜脛あたりがくるほど少し高い位置にあり、中央より前側だと常時見上げる感じであった。

出演と配役は以下の通りだ。

出演
西尾塁:諸葛亮
こばやしあきこ:諸葛夫人(諸葛亮姉)
大久保ともゆき劉備
城土井大智:曹操
佐久間春夢:黄氏(黄承彦の娘)
井口翔太:怪しい男?(諸葛瑾
阿國元気:諸葛均
柳荀太郎:黄承彦

感想を述べていきたいが愛媛での公演がまだ残っているため、今回は簡潔に記したい。


物語の時代は207年のとある1日。荊州で最も高い山奥の諸葛亮の家が舞台である。物語の主軸は前述したように諸葛亮と黄承彦の娘のお見合いである。脚本の三谷氏が言うに「めちゃくちゃかっこ悪い孔明を書いた」ということで、従来三国志三国志作品に登場するような政治に長けていたり、天才参謀と言われるような諸葛亮ではなく、感情が非常に豊かで人間味溢れた青年・諸葛亮が描かれていた。
物語序盤で劉備に振り回され心身ともに疲れ果てた諸葛亮の身に、諸葛亮姉に黄承彦、曹操らが訪れ、彼らによって一時も止むことのないトラブルのラッシュに巻き込まれていく。中盤にさしかかるころには同情してしまいそうなほど、かわいそうな事態になっていた。まるで『浦安鉄筋家族』を読んでいるようなドタバタ感であった。

登場人物の性格は全員が捻くれており、しかも腹黒く、厄介であった。特に諸葛亮姉は目先の出来事を見て思い付きで行動する。その場の自分の都合が良くなるために嘘に嘘を重ねていくため、これまで登場した数多の三国志作品において群を抜いた悪女ぶりであった。正直関わりたく人物である。曹操はドラマ「李祘」に登場する洪國榮のような容姿であったため、人間くさい諸葛亮以上に親近感を覚えた。


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