消えた「関帝廟」

福岡「関帝廟」の再来か。

2002年5月に千里中央すぐそばにオープンした商業施設 千里セルシー大阪府豊中市新千里東町)。その5階には中華街をコンセプトに、20店ほどの中華料理を提供する飲食店が軒を連ねていた。ワンフロアが疑似的な中華街で、細部にまでこだわっていたようで、店舗の壁や床などは赤を基調にしており、提灯や龍などの装飾で中華街のような雰囲気がつくられていた。その一角には中華街には欠かせない関帝廟も置かれていた。 

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しかしながらオープン以降、客足が徐々に遠のいてしまったそうで、2007年1月末にこの千里中華街が営業終了してしまう。

 

その後(直後?)、中国食料品や衣料品、日用品、書籍、酒類等の輸入品を主に扱う商業施設 上海新天地大阪市中央区日本橋)にその関帝廟が移された。

 

詳しくは以下の記事に譲りたい。

 

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廟は個室になっており、参拝スペースは非常に狭く1人分の幅しかない

 

長くなってしまったが本題へ。

今年の2月8日(土)よりLaoxが経営する上海新天地の1~3階の一時閉店する。この中2階に難波「関帝廟」が設置されていた。上海新天地店頭に掲示されていた張り紙によると「改装に伴う」閉店との。このタイミングでは4階の中華レストランや、6階の中国の食材を扱うスーパーも営業していた。改装に至るまでの経緯は不明であるが、漠然と閉店前後の動向は拾うことができた。確認できた範囲となるが、閉店までの流れは次の通りである。

 

・3月末:6階のスーパーが浪速区下寺へと移転する旨がアナウンスされる

・4月11日(土):スーパーが「Asia Mart新天地」としてリニューアルオープン

・4月13日(月)までに建物内の商店の営業が全て終了

・5月13日(水):上海新天地の解体工事のニュースが報じられる

・6月1日(月):足場の組み立てが始まり、解体工事が開始される

 

さて千里中華街から上海新天地に移された関帝廟であるが、今回の閉店に伴い新天地に再度移転されたのか、またはどこかで保管されているのか、今後関連施設に置かれるのかなどの情報を確認できなかった。おそらく情報発信されておらず、その足取りは完全に不明である。先述したように難波「関帝廟」は上海新天地の中2階に設置されており、Laoxが経営するフロアに置かれていため、所有権はLaoxにあると思われる。

 

そんな中、道頓堀のFOREVER21が店を構えていた跡地に、Laox道頓堀店が6月18日(木)にグランドオープンした。この新店舗は上海新天地から徒歩10分ほどの位置に所在する。開店したタイミング的にも、距離的にも非常に近いため、ここに移されたのではないかと推測し、先日6月27日(土)に足を運んだ。

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上海新天地Laox道頓堀店の位置は地図の通り
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Laox道頓堀新店

 

1~3階まで各フロア全体を確認したところ、北海道物産コーナーや家電製品コーナーなど上海新天地と非常に近い(ほぼ同じ)商品が店頭に並んでいた。淡い期待を抱いて店内を見渡したが、その中に廟はもちろん関帝像の姿はなかった。検討が見事に外れてしまい、また手掛かりすら得ることが出来なかった。果たして関帝廟の行方はどこであろうか…

 

かつて福岡「関帝廟」が姿を消したが、後に福岡空港へと寄贈され、国際ターミナルに置かれた。今回もどこかで再び姿を見せることを願いつつ、引き続きこの関帝廟の行方を探したい。