大興寺の関連資料の翻刻『雍州府志』巻第四 寺院門上 愛宕郡

久々に大興寺に係る資料の翻刻を。
今回の資料は黒川道祐『雍州府志』貞享三年(1686)である。本書は
安芸国出身の医師である黒川道祐が、後に儒学者林羅山に学んで歴史家となり、山城国を中国の雍州になぞらえ、地理や沿革、風俗行事、神社、寺院、特産物、古蹟、陵墓などの章に分けて、山城国に所在する8郡それぞれを漢文で記述している。記述は道祐の現地調査に基づいており、中国の地誌『大明一統志』を模している。(wikipedeiaより)
その巻第四「寺院門上 愛宕郡」に大興寺の項目が設けられており、次のように記す。
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在本禅寺北。本尊藥師等持院尊氏公之持佛也。古多寄附之庄園。元天台宗而京北芝町。故世稱芝薬師。今禅宗僧守之。属東福寺

『はじめての即位(下)』『三国志独学ガイド』入手

昨年末の冬コミ(C93)にて頒布された楽史舎さんの新刊『これから皇帝になる人のはじめての即位(下)』(楽史舎,2017年12月31日)、および佐藤ひろおさんの三作目となる同人誌『三国志独学ガイド―正史三国志のつぎに読む本―』(いつか書きたい『三国志』×楽史舎,2018年01月01日)の二冊を、先日の三国志研究会(愛知版)の例会の際にて購入させていただいた。

どちらも内容が濃厚にもかかわらず平易な文章で、かつ端的に記されているため非常に理解し易いこともあり、三国志研究をする際には大変役に立つこと内容がまとめられている。
前者より以下に目次を挙げておきたい。

『これから皇帝になる人のはじめての即位(下)』
 皇帝になるには 3
 禅譲 4
 郊祀 10
 宗廟 36
 参考文献 49

三国志独学ガイド―正史三国志のつぎに読む本―』
 はじめに 2
 第一章 赤壁の戦い(上)陳寿三国志武帝紀 6
 第二章 赤壁の戦い(下)司馬光資治通鑑考異』 22

 第三章 ふたつの荀紣伝(上)『全訳後漢書』の使用法 41
 第四章 ふたつの荀紣伝(中)荀紣の婚姻と死 57
 第五章 ふたつの荀紣伝(下)潘眉の説と関連論文 74

 第六章 『三国志集解』諸葛亮伝(上)諸葛玄の任命者 88
 第七章 『三国志集解』諸葛亮伝(中)盧弼注を読む(一) 107
 第八章 『三国志集解』諸葛亮伝(下)盧弼注を読む(二) 124

 第九章 三国志の論文を読む(上)論文への道程 145
 第十章 三国志の論文を読む(中)孫呉政権の形成(一) 161
 第十一章 三国志の論文を読む(下)孫呉政権の形成(二) 173
 おわりに 三国志の論文を書いてみよう 189

 付録一 司馬光資治通鑑考異』日本語訳 194
 付録二 講演録「私はなぜ三国志を研究するに至ったか?」 214

まずはこのに二冊を熟読し、『はじめての即位(下)』を通して古代中国における帝位に関してより深く理解するための助けに、また『三国志独学ガイド』では現在の研究をまとめる水先案内人になってもらおうと考える。
所謂「積読」状態にならないように、他の作業と並行して修養に努めたい。

三国志研究会(愛知版)第5回例会(2018年4月22日)

いつか書きたい三国志」の佐藤ひろおさん(@Hiro_Satoh)が主催の三国志研究会(愛知版)。2018年4月22日(日)13時より名古屋市中村区のカネージュビルにて第5回目の例会が予定される。

三国志研究会(愛知版)告知用ページ|いつか書きたい『三国志
http://3guozhi.net/p/kn.html

当日のプログラムや詳細は調整中。決まり次第、以下に追記したい。

資料の準備の都合もあり、参加を希望される方は先述したひろおさんのTwitterアカウントへリプライかDM、もしくは(hirosatoh0906@yahoo.co.jp)までメールにて連絡を。定員は15名までで先着順。


〒453-0014
愛知県名古屋市中村区則武1丁目2−1 カネージュビル6階

陸遜の忌日(245年2月4日)

惟赤烏八年二月粤乙卯,呉故使持節,郢州牧,左都護丞相,江陵郡侯陸公薨。

【陸雲『呉故丞相陸公誄』】

245年2月4日に使持節・郢州(荊州江北諸郡)牧・江陵侯の陸遜が63歳で亡くなった。新暦では同年3月19日にあたる。

三國志』や『建康實錄』ではこの事について以下の一文が見える。

(赤烏)八年春二月,丞相陸遜卒。

陳寿三國志』吳書巻二 吳主傳】

(赤烏)七年春二月,以大將軍陸遜為丞相。八年春二月,丞相江陵侯陸遜薨。

【許嵩『建康實錄』】

こちらは両者ともに詳細な記述がされず、ただ「陸遜が薨ず」とのみ記す。

【告知】三国志研究会(愛知版)第4回例会で発表します

「いつか書きたい『三国志』」の佐藤ひろおさんが主催で2018年2月4日(日)に開催される「三国志研究会(愛知版)」にて、「禅宗寺院における関羽」と題して、今回は足利尊氏が祀ったと伝承が残る綾部・安国寺蔵 関羽像について昨年11月19日(日)に取材・調査結果について報告を行います。
また先日、龍谷大学教授 竹内真彦先生が主催の三国志研究会 第20回例会にて取り上げた地誌等の記録より、同様の伝承が残る大興寺像について再検証を併せて行いたいと思います。よろしくお願いします。

三国志研究会(愛知版)告知用ページ┃いつか書きたい『三国志
http://3guozhi.net/p/kn.html

劇団nono「三國志ッ!!ジャングルゲーム」 公演(2018年2月11日〜2月12日)

2018年2月11日(日)〜12日(月・祝)に石川県野々市市文化会館 フォルテ小ホール(定員100名)にて、野々市市民劇団「劇団nono」による第9回定期公演「三國志ッ!!ジャングルゲーム」(全4ステージ)が公演される。

・劇団nono | 野々市市民劇団「劇団nono」(げきだんのの)のホームページです!
http://gekidan.nono1.jp/

・劇団nono第9回定期公演「三國志ッ!!ジャングルゲーム」 | 野々市市文化会館フォルテ
http://forte.nono1.jp/archives/9686

本公演のあらすじやスケジュール、キャスト等は次の通りである。

【あらすじ】
魏、蜀、呉の三国が鼎立する時代。
蜀の国においては猛将達が次々と倒れる中、遂に君主である劉備も世を去ることとなる。
後事を託されたのは、その計略、神のごとしと謳われた天才軍師、諸葛亮孔明
丞相となった彼は呉と同盟を結び義と対峙することになるのだが、混乱に乗じた南方の部族が南蛮王・孟獲を首領として反乱の狼煙をあげる。しかも北方では魏が軍備を整え、蜀の領土を虎視眈々と狙っている。
まさに前門の虎、後門の狼!
この絶体絶命のピンチを諸葛亮の英知は切り抜けることが出来るのか?
頼みとする武将は、いずれも今は亡き歴戦の猛将、関羽張飛などを父に持つジュニア達。
わざと有機では劣るものではないが、いずれも経験の浅い若き勇者達である。
対する南蛮軍には、怪力をもって知られる重戦士に加え、妖術師や猛獣師などあやかしの技に長けた武将がひしめいている。

神術vs妖術!
勇気vs獰猛!
心技体vs真擬態?

未体験の演劇的興奮が、今、幕を開ける!

【公演スケジュール】
2月11日(日)14時〜/19時〜
2月12日(月)11時〜/15時〜
 ※30分前開場

【キャスト】
安蒜夏美
安蒜夏美
岩田佳里奈
岩田知絵
宇佐美梨奈
岡谷陽光
岡谷怜皇
木川汐音
木川幸子
千徳美喜
西出早織
西村優太朗
中川誠
中島加津子
日向弘幸
山口由美子
吉村楓
吉村恵子

風李一成(作・演出)

料金は前売りが一般が1000円、高校生以下500円、未就学児無料整理券配布で、当日券が一般1300円、高校生以下800円。なお前売り券が完売の場合は当日券の販売はしないそうなので、もし観劇を予定される方は早めに前売りの予約を行うことを強く勧めたい。

物販に関しては情報が現段階では不明。


〒921-8815
石川県野々市市本町5丁目4−1

仙石知子『毛宗崗批評『三國志演義』の研究』拝受

以下の記事で紹介したように、先月末に仙石知子先生の『毛宗崗批評『三國志演義』の研究』が刊行された。

・仙石知子『毛宗崗批評『三國志演義』の研究』(2017年12月) - 尚書省 三國志
http://d.hatena.ne.jp/kyoudan/20171226/1514218225

演義』の研究ということで興味を持っていたところ、一昨日大変恐れ多いことに仙石先生よりご恵贈いただいた。誠にありがとうございます。

本書は文学から明清時代の社会情勢についてアプローチをされているため、社会学的な要素が非常に強い。特に関帝信仰を調べている身ということもあり毛宗崗本が書かれた当時の様子を考えるためにも非常に役立つ資料になるものと思う。
ゆっくりと拝読して、修養したいと考える。

ご著書拝受

先日、関西大学教授 二階堂善弘先生の研究室へお伺いした際に、大変嬉しいことに今では絶版となってしまったタイトルも含め、以下に挙げた数々の先生の著書を拝受しました。本当にありがとうございました。

・関西大・二階堂研究室 NIKAIDO Yoshihiro
http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~nikaido/

『明清期における武神と神仙の発展』(関西大学出版部,2009年2月)
『アジアの民間信仰と文化交渉』(関西大学出版部,2012年8月)
『神話から神化へ−中国民間宗教における神仏観−』(関西大学出版部,2015年12月)

道教美術の可能性』(勉誠出版,2010年6月)
日中韓の武将伝』(勉誠出版,2014年3月)
『近現代中国の芸能と社会-皮影戯・京劇・説唱-』(好文出版,2013年11月)


帰宅後はまずは自分の興味を抱いていることに関するテーマを中心に、あちこちベ−ジをたぐりながら読ませていただきました。「伽藍神」やその変遷について、当時大陸における民間信仰の状況や歴史背景について、さらに日本の信仰やその広がり等々…やはり知らないことが非常に多く、まだまだ勉強しなければならないと強く感じました。
今後はこれらを参考にしながら関帝や華光を探求・調査していきたいと考えます。

曹操の忌日(220年1月23日)

(建安二十五年春正月)庚子,王崩于洛陽,年六十六。
陳寿三國志』魏書巻一 武帝紀】

220年1月23日に魏王 曹操が洛陽にて66歳で亡くなった。新暦では220年3月15日にあたる。


そんな訳で、曹操を偲び蒼天航路の「ならばよし!」湯呑で昨日紹介した曹操「梅酒」を、さらにカルビー曹操…もといSOU・SOUがコラボした期間限定「ポテトチップスギザギザ 梅塩こんぶ味」を肴に。これで満点かな。