収馬岱

前回の記事で豫劇について取り上げ、その後それはどのような演目なのか気になり「百聞は一見に如かず」ということで観ようと考え、中国の動画サイトで探していると幸運なことに字幕付きの動画が投稿されていた。

大平调《收马岱》兄弟相认一折_标清 00_18_38-01_08_52_土豆_高清视频在线观看
http://www.tudou.com/programs/view/oAyyoGdHZrQ/?fr=rec1

漢升鑑賞して気になったこと。
・京劇の馬超のような衣装・白硬靠を馬岱が着ていた。
京劇の衣装の色には以下のような意味が込められている。

  黄色:皇室など高貴な人物
  赤色:王侯・重臣・権臣
  鶯色:老臣・長者
  桃色:若者
  白色:同上
  黒色:勇猛な将軍

間違っている可能性は十分にあるが、京劇の意味を当てはめて考えると、馬岱は白硬靠を身に着けているため「若者」として表現されている。また馬超馬岱の兄であるため、当然のことながら彼よりも年上である。京劇では馬超は白のイメージがあるが、この演目では長者を意味する緑軟靠を身に着けているのであろう。


馬岱黄山跃を名乗る。
前回の記事では「馬岱は黄三耀という名で馬超を探していた」と述べてが、この動画を見ると黄三耀ではなく黄山跃と名乗る。字幕を見ていると所々誤植があった。その例をひとつ挙げると、馬超の字が孟起ではなく「孟奇」となっていた。「起」と「奇」。意味は全く異なるが、音が同じのためこのようなミスが生じたのであろう。このことを踏まえると類似した音だから誤ったと考える。ちなみにピンインで表記すると次の通るだ。

  黄山跃:huáng shān yuè
  黄三耀:huáng sān yào

まずは馬岱の黄姓時の名前が豫劇に伝承されているということが裏取りできた。
彼が登場する他の演目も気になるため、動画が見つかり次第、またはそれを観る機会があれば、是非とも彼の名前を確認したい。