豫劇における馬岱

今回も百度で興味深い記述を見つけたので、それについて触れたい。

大平調與豫劇《收馬岱》(即《對金抓》),写黃三耀獨闖飛虎山,為女大王所擒結為夫妻,之後就是“兄弟相認”一折了。写黃三耀千里尋兄,與胞兄馬超相認的故事。他們多年未見面,姓氏又不一様,他們是怎様相認的?戲中說他們有一件馬家祖傳暗器“金抓”,使得兩軍陣上黃三耀、馬超以祖傳“金抓”相對時,黃方知馬就是自己胞兄(《三國演義》說他們是堂兄弟),在諸葛亮敦促下兄弟相認,黃三耀改名馬岱,兄弟同保蜀漢

河南地方の劇『収馬岱』。物語の流れは黄三耀が兄を探しているところ飛虎山に踏み入り、そこでその山の女王を捕らえ夫婦となる。そして引き続き兄を探し再会を果たす、といった感じである。

内容は、黄三耀は兄と長年会っていないため、彼らはお互いの名前を知らない。しかし彼の家には先祖代々に伝わる暗器「金抓」がある。ある時、黄三耀が馬超と対峙した際に、馬超もまた金抓を使っていたため、彼らは自分たちが兄弟であると理解することができた。兄を見つけることができた黄三耀は馬岱へと名前を改め、兄の馬超とともに蜀を守護するようになった。

馬家に伝わる武器ということは、馬援の擂鼓瓮金錘一対をつい連想してしまうが、文字通りであれば鉤状の武器なのであろうが、詳細は未明である。


このことに関する一部を、三国志に由縁のある女性について紹介されているサイト「三国列女志」の以下のページに、馬岱が婚約した相手の女王(黄賽花)について簡潔に紹介されてある。
http://sannv.web.fc2.com/zong/jyc.html

その記述と上述した内容を整理すると以下のようになる。
1.馬岱曹操との抗争後に馬超と離散してしまう。
2.その後、馬岱は黄堪に養われ黄三耀と名乗る。
3.馬岱は兄・馬超を探して飛虎山を通る最中で賽花を娶る。
4.葭萌関(213年か)にて馬超と再会し馬岱の呼称に戻す。
5.劉備傘下に加わり、蜀漢のために奮闘する。


先日、平陸県には馬岱が黄巌と名乗ったという旨の伝承を掲載した。その地域と河南地方は非常に近い場所にあるため、その周辺にはこれら以外にも馬岱に関する民間伝承が残っているのではないかと推測する。
馬岱の逸話
http://d.hatena.ne.jp/kyoudan/20160401/1459511994


また黄巌 三耀というのが馬岱が名前を変えた際のフルネームではないか。