華光菩薩像の持物について

一部の黄檗宗曹洞宗寺院に安置されている華光菩薩像。成立や華光信仰等の多くのことが未だ明らかになっていない。二階堂先生に拠れば、宋代から明代にかけて中国南方の地域で強く信仰されていた密教由来の道教神・華光大帝(馬霊官)が仏教に取り込まれ、変容したのがこの華光菩薩である。柔和な表情に三眼、左手には投擲用の武器「金磚」を持ち、文官のような衣服に身をつつみ、三山帽のような冠を戴く。
黄檗宗を日本にもたらした隠元福建省福州福清県の出身者である。また彼が身を置いた福建省黄檗萬福寺には華光像が置かれていた。ゆえに黄檗宗ともに華光像(華光信仰)も持ち込まれたのではないかと推測する。

残念なことに新しい神で、かつ日本では非常に馴染みがなかったためか、早い段階で名前や性格などの多くの情報が失われてしまったようである。その結果のひとつとして華光菩薩ではなく「伽藍神」「伽藍菩薩」「関帝」「大権修利」等と呼ばれ、今も各地で誤認された状態で安置されている。

昨日、そんな華光の持物である金磚の有無について話が俎上に登った。これまで関帝研究の一環で作成した「関帝マップ」では非常に参照しにくく感じたため、それをベースにして以下に分類してまとめたい。(2017年6月10日現在)

関帝マップ
https://www.google.com/maps/d/u/0/viewer?mid=1_VBfL7DkhwV6mvec8jXkJ20BSDg&hl=en_US

金磚あり

金磚なし

不明・未確認

*1:金磚の代わりに経文を手にする

*2:両手を右腿の上で組む

*3:目視による確認ができず